九十現音
1995年12月9日に劇場公開され、今年公開から20周年を迎える『ゴジラ VS デストロイア』は僕にとって劇場ではじめて観たゴジラ映画であるとともに、ゴジラの死を描く内容、闇夜の中で高熱に身をよじるゴジラ、デストロイアの造形の禍々しさと美しさ、ラスト・…
SEKAI NO OWARIが2011年に元来の日本語表記から、バンド名を現行のアルファベット表記に改めた際、邪推ながらも連想したのは同年に発生した『東日本大震災』のことでした。“世界の終わり”は現実化してしまった。それでもなお“終わり”そのものを表現し続ける…
他人に対し『カッターナイフで滅茶苦茶に切り付けた手首』を見せ付けるような作品は露悪的です。一方で、受け手はかわいそうな子どもに向けるような同情の目線を持って、作品に接し、それ相応の感動を得ることが出来るでしょう。例えば、TVアニメ『新世紀エ…
『逆転』とは野球においても、アメリカン・フットボールにおいても選挙の得票率においてもゲームのルールが強固なものであることが前提です。また『逆転』とは、ゲームにおいて劣勢に陥っている主体の存在を必要としています。主体が劣勢に置かれる理由は、…
“観察映画”という独自のジャンルで知られる想田和弘監督の最も興味深いドキュメンタリー作品の一つに、劇作家・平田オリザを取り上げた『演劇』を挙げることが出来ます。僕は合計五時間以上に渡る、前篇と後篇から構成される『演劇』を学生時代に渋谷の映画…
例えば『アベンジャーズ』に代表されるマーベル・ヒーローらの痛快なアクションが“ホット”なものとするなら、往々にしてスパイ・アクションとは“クール”なものと位置付けることが出来るのではないかと僕は思っていまして。その理由の一端は登場人物の衣装、…